「病院で検査を受けましたが、『異常はありません』と言われました。」
当院へ来院される患者様から、このようなお話を伺うことがあります。
その後に続くのは、「異常がないと言われたのに、痛みや不調はあるんです。」という言葉です。
検査で異常が見つからないことは、とても良いことです。重大な病気が隠れていないことを確認できるのは、大きな安心につながります。しかし一方で、「異常はない」と言われたことと、「症状がない」ということは、必ずしも同じではありません。
今回は、このことについて当院の考え方をお話ししたいと思います。
検査と身体のつらさは、見ているものが少し違います
レントゲンやMRI、CTなどの検査は、骨や関節、神経などに大きな異常がないかを確認するために、とても重要なものです。
一方で、私たちが日々の施術で向き合っているのは、「痛みが出る動き」や「身体の使い方」、「筋肉の緊張」や「姿勢の変化」といった、日常生活の中で現れる身体の反応です。例えば、朝だけ腰が痛い方、長時間座っていると肩がつらくなる方、夕方になると頭痛が出やすい方などは、検査では異常が見つからなくても、日々の生活の中では確かにつらさを感じています。だからこそ、検査結果だけでは分からない部分にも目を向けることが大切だと考えています。
「異常なし」は「気のせい」という意味ではありません
「異常はないと言われたから、自分の気のせいなのかな。」そう思ってしまう方もいらっしゃいます。しかし、そのように考える必要はありません。実際につらさを感じているのであれば、その症状は患者様にとって現実のものです。もちろん、症状の原因は一つではありません。
身体の使い方や姿勢、仕事や家事による負担、睡眠や疲労の蓄積、ストレスなど、さまざまな要素が重なり合って症状として現れることがあります。私たちは、その背景を一緒に考えることも大切な役割だと考えています。
当院が施術で大切にしていること
当院では、「どこが痛いですか」という質問だけで施術を始めることはありません。いつから症状があるのか、どのような時につらくなるのか、お仕事や日常生活ではどのような姿勢が多いのかなど、お話を伺いながら身体全体の状態を確認していきます。
同じ「肩こり」でも、長時間のパソコン作業が影響している方もいれば、身体のバランスや日常の動作が関係している方もいます。「腰痛」という症状でも、朝に強く感じる方と夕方に悪化する方では、お身体の状態が異なることがあります。
症状の名前だけではなく、その方の生活や身体の反応まで含めて考えることが、一人ひとりに合った施術につながると考えています。
YNSAも「身体全体をみる」という考え方を大切にしています
YNSA(山元式新頭鍼療法)も、単に頭へ鍼をする施術ではありません。
当院では、現在のお身体の状態を確認し、施術後の変化を見ながら、その方に合った施術を組み立てています。「どこへ鍼をするか」だけではなく、「身体がどのように反応したのか」を確認しながら進めていくことを大切にしています。そのため、同じ症状で来院された方でも、施術の内容がまったく同じになることはほとんどありません。
「異常がない」と言われた後、どう考えればよいのでしょうか
検査で異常がないことは、決して悪いことではありません。むしろ、大きな病気が見つからなかったという安心材料になります。そのうえで、もし症状が続いているのであれば、「なぜこのつらさが続いているのか」という視点で身体を見直してみることも大切です。
生活習慣を振り返ることも一つですし、身体の動きや姿勢を確認してみることも大切です。「異常がないから何もできない」と考えるのではなく、「異常がないからこそ、別の視点から身体を見てみよう」と考えることが、改善へのきっかけになる場合もあります。
まとめ
「異常なし」と言われたのに症状が続いていると、不安になるのは当然のことです。しかし、「異常がない」と「つらさがない」は、必ずしも同じ意味ではありません。
当院では、検査結果を大切にしながらも、お身体の動きや生活習慣、日々の負担なども含めて総合的に確認し、一人ひとりに合わせた施術をご提案しています。「どこへ相談したらよいのか分からない」「検査では異常がないと言われたけれど不調が続いている」という方は、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。お身体の状態を一緒に整理しながら、今できることを考えていきたいと思います。