「自律神経が乱れていますね。」
最近では、この言葉を耳にする機会がとても増えました。しかし実際には、「自律神経が乱れている」と言われても、何が原因で、どうすれば改善につながるのか分からず、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
当院にも、「病院では異常がないと言われたけれど体調がすぐれない」「薬を飲んでも症状を繰り返してしまう」というご相談をいただくことがあります。
今回は、自律神経の不調について、当院がどのように考え、YNSA(山元式新頭鍼療法)をどのような視点で取り入れているのかをご紹介します。
自律神経の不調は、なぜ長引いてしまうのでしょうか
「自律神経が乱れている」と聞くと、自律神経そのものが悪くなっているように感じるかもしれません。しかし施術をしていて感じるのは、自律神経の不調そのものが原因というよりも、身体が長い間無理を続けてきた結果として、そのような症状が現れている方が多いということです。
仕事が忙しく、気が付けば一日中緊張した状態で過ごしている。家事や育児に追われ、自分の身体を休める時間がない。夜は疲れているのに眠りが浅く、朝起きても疲れが取れていない。こうした生活が何日も、何か月も続けば、身体は少しずつ余裕を失っていきます。
頭痛やめまい、動悸、息苦しさ、胃腸の不調、慢性的な疲労感など、一見すると関係がないように思える症状が同時に現れることも珍しくありません。だからこそ、「自律神経を整えましょう」という一言だけでは十分ではないと私は考えています。
その方がどのような毎日を送り、どのような負担を抱えているのか。その背景を知ることが、改善への第一歩になるからです。
当院が施術をしていて感じること
自律神経の不調で来院される方には、ある共通点を感じることがあります。それは、「頑張ること」が当たり前になっている方がとても多いということです。
仕事では責任ある立場を任され、家では家族を支え、自分のことは後回しになる。そのような生活を長く続けているうちに、不調があっても「もう少し頑張れば何とかなる」と無理を重ねてしまいます。そして気が付いた頃には、身体からさまざまなサインが出始めています。
私は施術を通して、そのサインを一つひとつ確認しながら、「身体は今どんな状態なのか」を一緒に整理することを大切にしています。身体の状態を理解するだけでも、「原因が分からない」という不安が少し軽くなる方は少なくありません。
YNSAをどのような考え方で取り入れているのか
YNSAは、頭部への施術を通して身体の反応を確認しながら進めていく方法です。「頭に鍼をする施術」と聞くと、それだけで終わってしまうような印象を受けるかもしれませんが、実際には頭だけを見ているわけではありません。施術前には身体の動きや筋肉の緊張、症状の現れ方などを確認し、その時のお身体の状態を把握します。そして施術後には、「身体はどのように反応したのか」「動きに変化はあったのか」「症状はどう変わったのか」を確認しながら、その方に合った施術を組み立てていきます。
当院では、YNSAを特別な施術として考えるのではなく、お身体の状態を確認しながら変化を積み重ねていくための一つの方法として取り入れています。
よくある勘違いがあります
「自律神経の乱れ」と言われると、「ストレスさえなくなれば良くなる」「しっかり眠れば治る」と考える方もいらっしゃいます。もちろん、休息や睡眠はとても大切です。しかし、それだけで十分とは限りません。長い時間をかけて積み重なった身体への負担は、一晩眠っただけですべて元に戻るわけではありません。また、反対に「何をしても変わらない」と諦めてしまう方もいらっしゃいます。
身体は毎日の積み重ねで変化していきます。だからこそ、焦らず今のお身体に合った方法を見つけていくことが大切だと考えています。
日常生活で大切にしていただきたいこと
施術だけで身体の状態を維持することは難しく、日々の過ごし方もとても重要です。忙しい毎日の中でも、深呼吸をする時間をつくる、同じ姿勢が続いたら一度立ち上がって身体を動かす、湯船にゆっくり浸かる、十分な睡眠時間を確保するなど、小さなことでも身体への負担を減らすきっかけになります。
大きく生活を変える必要はありません。無理なく続けられることを少しずつ積み重ねていくことが、お身体にとって大切だと考えています。
まとめ
「自律神経の乱れ」という言葉は広く知られるようになりましたが、その背景にある原因は一人ひとり異なります。だからこそ、症状だけを見るのではなく、お身体全体の状態や日常生活まで含めて考えることが大切です。
当院では、YNSAを一つの選択肢として取り入れながら、お身体の反応を確認し、その方に合わせた施術をご提案しています。「検査では異常がないと言われたけれど体調がすぐれない」「何から始めればよいか分からない」と感じている方は、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。